AIが決めた恋
「藍ちゃ〜ん！」

背後から声をかけられ振り返ると、影石愛がこちらに向かってきていた。

「愛ちゃん。」
「あ、桃野さんと広だ──」
「俺、部活行くから。」

影石愛の存在など無視するように、真島くんは教室から出て行った。
あまり女子を寄せ付けたくないのだろうか。
そうとも思ったが、真島くんが誰かから逃げるように自ら退散する姿は珍しい。

「あー、行っちゃった。まあいいや。藍ちゃん、ちょっと話があるんだけど。」

真島くんが彼女を避けたことを気にも留めないような表情で影石愛が言った。

「話？」
「うん。藍ちゃんにしか相談できないことだから、できれば2人きりで話がしたいんだけど、良いかな？」

彼女は上目遣いで私を見つめた。

「うん、良いよ。」

これも、彼女を許してまた仲良くなる為のステップなのかもしれない。そう考えたら、断る理由など無かった。

「ありがとう！」

彼女が私の両手を掴む。

「それなら私はお邪魔だから帰るね。」

ももちゃんが言った。

「桃野さん、ごめんね。」
「いいのいいの。丁度、奏汰くんと一緒に帰る約束もしてたから。」
「そっか。それなら良かった。頑張ってね。」
「うん！ありがとう。じゃあ、また明日ね！」
「また明日。」

ももちゃんに手を振る。
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