AIが決めた恋
「僕と湖川さんは、ただのクラスメイトだからね。」

佐倉くんが苦笑いでそう言った。
ただの、クラスメイト。
この前、自分から佐倉くんに発した言葉なのに、佐倉くんからそう言われると、とても悲しい。
彼は私の特別でも、私は彼の特別じゃない。当たり前のことなのに、どうしてこんなにも悲しいのだろう。

「ただのクラスメイト?それだけじゃないよ。」

影石愛は、攻撃をやめようとしない。

「本命はパートナーの真島広大という人で、蛍貴は遊びだって言ってたよ。私、はっきりとこの耳で聞いたもん。」
「えっ…?遊び…。」
「違います、佐倉くん…!」

遊びだなんて、1度も思ったことは無い。彼と話す時は、いつだって少し緊張していて、でも少しだけ話せることが嬉しくて…。遊びだなんてそんなこと、思うはずないのに。

「湖川さん…。」
「本当に、違──」
「そうだよね。ずっと変だと思ってたんだ。湖川さんみたいな人が、僕なんかと話してくれるわけないって。」
「佐倉くん…。」
「今まで迷惑をかけていたんだね。ごめん。これからは、もう無闇に話しかけないようにするから。」

そんな…。嫌だ。そんなの、嫌だ…。
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