AIが決めた恋

「遊びなんかじゃないです。もう話さないだなんて、そんなこと、言わないでくださいよ…。」

違う。こんな言葉じゃない。今、彼に言うべき言葉は、こんな、彼を引き止めるような言葉ではない。

「いいよ湖川さん。無理しないで。」
「無理なんてしていません。」

私がそう言った直後、佐倉くんは、突然表情を変えた。
苦笑いするような微笑みが消えて、私を怪訝(けげん)そうに見つめた。

「最近の湖川さん、何か変だよ。」

彼がそう言った瞬間、私の中で何かが崩れ落ちるような感じがした。
もうそれ以上、言葉は出なくて、私はその場から走って逃げた。

「湖川さん…！待って…！」

彼が追いかけてきているのが分かる。私は走るのがそんなに速くないから、直ぐに捕まってしまうかもしれない。でも、捕まったところで、何の意味もない。
もう終わりだ。
高校に入学して、無色透明のオーラの彼を見つけて、気になって、少しでも話がしたくて…。
彼はとても優しくて、私を何度も助けてくれた。
そんな関係が、心地よかった。
しかし、もうそれも全て終わりだ。
遊びで接していたなんて思われたら、きっと嫌われてしまう。
中学生の頃から、誰かに嫌われることなんて、もうとっくに慣れている。
でも…。それでも、彼にだけは、嫌われたくなかった…。
他の誰から嫌われたとしても、佐倉くんにだけは──