AIが決めた恋
「これから、一緒に帰る?」

何はともあれ、もう少し確かな情報が欲しくて、僕はそう尋ねた。
しかし、影石さんは首を横に振った。

「まだ、やらなくちゃいけないことがあるから。じゃあね。」
「あ、うん。」

そう言うと影石さんは、体育館の方へ向かって行った。
荷物は教室にあるのに。体育館に何か用があるのだろうか。
気になったが、彼女の後をつけることはせず、僕はポケットに入っていたスマートフォンを取り出した。
通話ができるメッセージアプリから、裕さんの連絡先を開き、受話器を上げるボタンを押した。
呼出音が数回鳴った後、スマートフォンから裕さんの声が聞こえてきた。

「もしもし!蛍くん!?珍しいじゃん、元気?」

最近はあまり会っていなかったけれど、裕さんの声も、テンションも、以前と何も変わりはなかった。

「はい、元気です。」
「良かった。僕に何か用?」
「少し、聞きたいことがあって。」
「もしかして、藍に関連してること?」
「はい。」
「それは答えられないかもな〜。何にせよ、藍のことを色々知っているのは、僕の特権でもあるからね。」

裕さんが、ニヤッと笑っている様子が、電話越しでも想像できる。
まあ、そんなことを言いながら、教えてくれるのが、彼だ。
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