AIが決めた恋
「どうしてそんなことを聞くんだ？」
「今は全て憶測なので、はっきりしてから伝えては駄目ですか？」
「分かった。それでも良いよ。」

裕さんは、深呼吸のような溜息をついてから、静かに言った。

「藍の幼馴染みの名前は、岸部愛だ。」
「岸部愛…。」

名前は同じだが、苗字が違う。ということは、やはり別人…？いや──

「岸部愛という女の子は、いつまで湖川さんの近くにいたんですか？」
「中2までだよ。」
「どうして中2までなのですか？卒業して進路がバラバラになったのなら、中3ですよね？」

つまりは、中2の時に、転校しなければならない何かがあったということだ。

「蛍くん、ちょっと質問が多すぎるんじゃないかな。前にも言ったよね？蛍くんには、藍の過去を知らないまま、関わって欲しいと。」

確かに、遊園地へ行った時、そのようなことを言われた覚えがある。でも、今聞いているのは湖川さんの過去についてではない。
< 382 / 508 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop