AIが決めた恋
「じゃあ、蛍貴、また明日ね。」

そう言って影石さんは、僕に背を向けて歩いていく。

「待って。」

その背中を見て、どうしても気になったことがあり、呼び止めた。

「教室の方向は逆だよ。そっちにあるのは体育館。荷物は教室にあるでしょ?」

まだ転校してきて間もないから、教室の場所を正確に覚えていないのかもしれない。

「体育館に用があるんだよ。」
「そうなの?そういえば、昨日も僕と別れた後、行っていたよね。」
「昨日は用がある人が見つからなかったの。」
「そう。」
「へえ、私が何処に行くか見てたんだ?もしかして蛍貴、私のこと気になってる?」

影石さんが、ニヤッとした表情を僕に向けた。

「えっと、それは…。」

気になっていないと言えば、嘘になる。実際に昨日、影石さんのことで、裕さんにまで電話をかけたのだから。

「そうだったら嬉しいな…。」
「え?」
「だって私も、蛍貴のこと、気になってるもん。」
「えっ…!?」
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