AIが決めた恋
「真島は、今日は戸締り当番だから、遅くなるぞ。迷惑だから、今日は帰ってくれ。」

男の人がそう言った。

「それでも待っていたいですぅ〜！」
「私達、コウ様の為なら、何でもすると決めているんですよ。」

ミーハーな女子達が口々に言う。凄い人気だ。

「あまり迷惑行為を繰り返されると、剣道部も活動できなくなってしまうかもしれない。君達は、剣道部が無くなって、真島の姿が見られなくなってもいいのか？」

男の人が、物凄い形相でファンの子達を睨むと、彼女達は突然慌て始めた。

「あ、そ、それは困るね。」
「そ、そうだね。今日のところは帰ろう？」
「皆〜！剣道部存続の為に、今日は帰ってくださ〜い！抜け駆けは禁止で〜す！」

ファンの子達の中でも、リーダー格っぽい子がそう言い、多くのファンは、体育館を後にした。
私はどさくさに紛れ、剣道部員がミーハー女子達に気を取られている間に、体育館の中へと入った。
もうほとんどの剣道部員は着替えが終わって、体育館を出ていく。
憶測だが、きっと残っているのは彼だけだ。
そう思い、トイレの近くにある、男子更衣室の扉を開けた。
< 392 / 508 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop