AIが決めた恋
「じゃあ、早速本題に入ります。」

水原が、「コホンッ。」と一度だけ咳をした。

「今度の日曜日、真島くんには、藍さんとデートをしてもらいます!!」

水原の近くに置いてあったスマートフォンから、『ジャジャーン!』という機械の音が流れてきた。

「…は?」

唖然。呆然。デート?何だそれは。

「まあ、初めから2人きりというのは難しいと思うから、今回はダブルデート!俺と奏風ちゃんも一緒だよ。」

ピースサインをしているが…。まったく。『一緒だよ。』ではない。
さてはこの人、自分が桃野とデートしたいだけなんじゃ…。

「そんな、デートなんて必要無い。俺達は、形だけの関係だから…。」

お互いに、干渉しない。初めて出会った時に、2人とも、それに同意した。
それに、2年に進級してから、パートナーにも慣れただろうということで、月1度の顔合わせ制度は無くなった。

「何言ってるの!?確かにパートナーは初めは形だけかもしれないけど、そこから関係性を作るの!とにかくデートするからね!拒否権は無し!」

彼が机を両手で叩く音が、俺たち以外の誰もいない教室に響き渡った。
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