AIが決めた恋
「そんなことより、真島くんと佐倉くんって、“ そういう関係”なの?」
「は?」
「だって、“サクマシ”って、佐倉くんと真島くんのことでしょ?」
「“サクマシ”とは、そういう意味だったのか…。」

“佐倉”と“真島”の2文字をとったということか。今時はそういうのが流行っているのか…?

「え?真島くん、知らなかったの?」
「う、うるさい。“サクマシ”がどういう意味でも、俺と佐倉は何も無い。」

あの体育館で起きた事故で、噂が立ち、今だに消えていないとは。やはり、噂というものは恐ろしい。それに、“サクマシ推し”って何だよ。そんなのまでいるのかよ…。
俺は昔から、噂を流されやすい。普段の行いがいけないのだろうか。

「ふーん、何も無いのか。」

自分から聞いてきたくせに、水原はつまらなそうにした。

「あ、そういえば、さっき真島くん、何かを言いかけたよね?『1つ質問がある』って。」

ああ、そういえばそうだった。“サクマシ推し”というパワーワードのせいで、完全に忘れていた。
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