AIが決めた恋
「あのデートの誘い方だが、あれは水原の顔が良いから通用することではないのか?」

『相手の趣味を知りたい』だなんて、言葉は悪いが外見の良くない男子から言われたら、セクハラ扱いされそうだ。

「正直あれは、顔がある程度整っていなければできない、至難(しなん)の業だと俺は感じた。」

俺がそう言うと、水原は俺の肩を掴んで、前後に揺すった。

「だからこそだよ!!」
「は?」
「そりゃ、真島くんがイケメンじゃなかったら、俺ももっと他のやり方を提案したよ。」

全く言っている意味が分からない。
俺が呆然と立ち尽くしていると、水原は大きな溜息をついた。

「やっぱり自分じゃ気づいてないんだ。」
「え?」
「真島くん、君は相当のイケメンだよ!!」
「は?」
「文化祭の時に気が付かなかったの!?学校中の女子が、真島くんに目を奪われてた。俺はミスターコンテストで優勝したのに、周りは皆んな真島くんの話ばかりして、ちょっと妬いたんだから。」

妬いた…?水原が?
確かに『白雪姫』の王子役を演じた時、沢山の観客が来ていたが、それは相性1位の俺達が珍しかっただけではないのか?
もし、そうではないのだとしたら…、
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