AIが決めた恋
「じゃあ、もしかして、部活の後に知らない女子が毎回くるのも…、」
「真島くんがイケメンだからだよ!!」

そんな…。そんなことが本当にあるのか?
水原からはっきり言われてもまだ実感できない。俺は普通の顔だ。性格だって、ひねくれているし…。

「とにかく、真島くんはイケメンなんだから、自信持って!さっきのお手本通り、やるんだよ!?」
「…分かった。」

水原の威圧感に負けて、俺はそう言った。

「良し!じゃあ今日のレッスンはここまでね。」

笑顔でそういう水原の言葉に、引っ掛かりを覚えた。

「ちょっと待て。“今日のレッスン”とは何だ?その言い方だと、次があるみたいではないか。」
「え?真島くん、何言ってるの?次もあるに決まってるじゃん。」

彼は『当たり前でしょ?』という表情をしているが、そんなこと聞いていない。

「誘うだけでデートは終わりじゃないんだよ。当日の動きとか、色々練習しないと。真島くん、恋愛論に関しては、かなりの劣等生みたいだから。」

『劣等生』という言葉は気に入らないが、否定もできない。

「じゃあ、そういうことで。また来週の今日、ここに来てね。勿論、拒否権は無しだから。」

上機嫌でそう言うと、彼は手を振って教室から出ていった。
何だか、面白がられている気がするが…。
でも…。
これで、彼女のことを少しでも知れるのだとしたら…。
佐倉に奪われるわけにはいかない。俺は、彼女と結婚したいのだから。
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