AIが決めた恋
映画館に入ると、向かって右から順番に、水原、桃野、彼女、俺の4人が座った。そして、少し雑談を交わしていると、映画館の中がゆっくりと暗くなり、CMが始まった。
俺はゆっくりと深呼吸をする。
本当のミッションはこれからだ。
水原から教わったことを実行すれば、彼女は俺に振り向いてくれるのだろうか。
分からない。
そして、何故か緊張している。緊張なんて、不必要なはずなのに。
昔から、本番には強いタイプだ。
それなのに…。必要以上に心拍数が上がっているのが自分でも分かる。
こんなの、俺には似合わない。
何でもスマートにこなせなくてはいけないのに。
そして、俺の気持ちは落ち着かないまま、映画が始まった。
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