AIが決めた恋
「映画、面白かったか?」

靴と上靴を履き替えた後、歩きながら、真島くんがそう聞いた。

「はい。とっても。」
「それなら良かった。」
「真島くんは、どうでしたか?」
「俺?」
「はい。」
「……面白かったよ。」

真島くんは、どうしてあの映画を選んでくれたのだろう。
趣味については話したことがなかったから、知っていたわけではないと思う。
真島くんも、観たいと思っていた映画だったのだろうか。…いや、真島くんに限って、恋愛映画が観たいと思うとは考えられない。
『面白かった』という感想も、本当にそうなのか気になるところだが、私は取り敢えずその言葉を信じることにした。

「面白かったなら、良かったです。」

そんなことを話しているうちに、教室が見えてきた。
そして、入口付近に、佐倉くんが立っているのを見つけた。
近くまで行くと、私と真島くんは佐倉くんに挨拶をした。
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