AIが決めた恋
「今の声は何事ですか?廊下まで響いていましたよ。」

先生が言うや否や、一部の女子が、先生の前まで行き、今までの出来事を、鋭い言葉で説明する。

「湖川さんと佐倉くんが、お互いのパートナーに了解を得ないまま恋愛してたんです!」
「それで影石さんが泣いてしまって。」
「ルール違反ですよね。何らかの措置(そち)を取ってください!」

女子達が言い終わるのと同時に、先生が私と佐倉くんを交互に見つめた。

「それは本当なのですか…?」
「違います。」

私が答えると、教室中にブーイングの嵐が巻き起こる。

「は!?キスしてる写真まで出てんのに、まだ言い訳すんの!?」
「これは…、事故です。」
「事故でキスするとか、少女漫画かよ!ふざけるのも、いい加減にしてよね!」
「先生、どちらの意見を信じるかは明白ですよね?」

先生の目が私を睨んでいるように見えて、私は怯(ひる)む。

「放課後、佐倉と湖川は職員室へ来なさい。」
「そんな…!待ってくだい、これは本当に事故で──」
「湖川。口答えはするな。もう一度言う。職員室へ、来るように。」
「それはあまりにも…、」
「これ以上、口答えをするなら、退学にするぞ。」

『退学』という言葉を聞いて、私は完全に黙らされてしまった。
あまりにも理不尽だ。

「じゃあ皆、席につきなさい。朝のHRを始めます。」

先生がそう言って、私達はしぶしぶ席につく。
そして、何事も無かったかのように、朝の HRを始めた。
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