AIが決めた恋
「まあ、佐倉もお酒のせいで正常な判断をすることができなかっただろうから、事故だな。そして君は誰かに嵌められた。」

そう言うと、先生は席を立ち上がった。

「酷い風評被害もあるみたいだから、こちらから事故だったということを、他の生徒達にさり気なく言っておく。それでいいな?」
「はい…。」

分からない。それで良いのか。さり気なく言ったところで、クラスメイト達の視線はそれほど変わらないだろう。
一度撒かれた噂を無かったことにするのは、難しい。
しかし私は、肯定的な返事をして、席を立ち上がった。

「話はこれで終わりだ。気をつけて帰れよ。」
「はい…。さようなら。」

私は、空き教室の扉を開ける。そのまま出て行こうか迷い、結局もう一度振り返る。
< 449 / 508 >

この作品をシェア

pagetop