AIが決めた恋

隠し事

「くっそ〜！もう1回！！」

お兄ちゃんが叫んだ。
近所迷惑になっていないか、なんとなく外を見つめる。
空はすっかりオレンジ色に染まっていた。

「あはは！裕くん弱〜い！」

土曜日のお昼頃、私が部屋で宿題をしていると、お兄ちゃんとももちゃんがやって来た。

『久しぶりにゲームしない？』

お兄ちゃんはそれだけ言うと、ニコニコしながら自分の家から持ってきたゲーム機を私に渡した。
来週までの宿題がまだ終わっていなかったが、それほど焦っているわけでも無かった為、私はももちゃんとお兄ちゃんを部屋に上げた。

「いや〜、やっぱりゲームはいいなぁ。」
「そんなこと言って、さっきから裕くん、負けてしかない。」

ももちゃんが笑う。
先週私に起こった出来事を、お兄ちゃんとももちゃんと一緒に帰った時に、お兄ちゃんに説明した。
お兄ちゃんはいつものように、私を慰めて、何かあったらいつでも連絡するように言ってくれた。
今日、突然、ゲームをしようと家に来たのも、きっと私を励ますためだろうと直ぐに分かった。
そして、ゲームが始まってから、お兄ちゃんは、“ その話題”には一切触れなかった。
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