AIが決めた恋
「聞いたよ。藍の昔の幼馴染みが転校してきたんでしょ。」
「どうしてお兄ちゃんが知ってるの？」
「蛍くんから聞いた。」
「佐倉くんから…？」

いつの間にか、連絡を取り合う中にまでなっていたなんて、知らなかった。

「また何か嫌なことをされていたりしない？」

嫌なこと…。

「何かされたなら、何でも言って。」
「あの…、実は…、」

私は、約2ヶ月ほど前の出来事を思い出す。

『あんたが嫌いだから。昔からずっと。 』

彼女は、はっきりと私にそう言った。
このことをお兄ちゃんに伝えたら、お兄ちゃんは私の味方になって助けてくれるのかもしれない。でも…。

『このことは皆には黙っておいてよね。』
『黙っておかなかったら、あんたの過去、皆にバラすから。』

誰かに話したら、過去のことをバラされる…。
過去をバラされるということは、3年前と同じ立場に立ってしまうということだ。
もう…、あんな思いはしたくない…。
< 460 / 508 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop