AIが決めた恋
「佐倉くんと藍ちゃんの写真が黒板に貼られていた時、真島くんは真っ先にその写真を剥がして、藍ちゃんを助けてたよね?」

そうだ。あの時真島くんは、気にするなと言ってくれた。
だからこそ、あの出来事があっても、私は真島くんとそこまで気まずくならずに済んだ。

「ねえ、どうしてあの写真を見て、広大が貴方のことを見捨てなかったと思う?」

『広大』
その呼び方に違和感を感じた。
彼女は、今まで真島くんのことを呼び捨てにしていただろうか…。

「見捨てずにいてくれたのは…、真島くんが…とても優し──」
「馬鹿じゃないの?そんなわけないでしょ!」

彼女の叫び声が、公園中に響く。

「可哀想だから答えを教えてあげる。」

いつも以上にニヤニヤしている彼女は気味が悪い。聞きたくない…。逃げ出してしまいたい…。

「広大が何も言わなかったのはね、彼にもやましい部分からあるからだよ。」
「やましい…部分…?」
「そう。まあ、簡単に言っちゃうと…、」

影石愛が私の右肩に手を添える。

「私と広大、昔付き合ってたの。」

その瞬間、頭が真っ白になった。
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