AIが決めた恋
「写真を撮ったのも、お前だろ。」
「え〜？私、あの時はまだ転校してきてなかったじゃん。どうやって写真を取るって言うのよ。」
「お前なら、それくらいできるだろ。」

特別な日でない限り開かない屋上の扉だって、開けるのに5分とかからなかったのだから。

「ついでに、去年、俺が暴力未遂事件を起こして出席停止になった噂が突然流れた。それもお前が流したんだろ！」
「証拠は？」

決定的に、影石愛が全ての黒幕だという証拠は持っていない。でも…。

「お前は、写真の質問に対して、『あの時はまだ転校してきていなかった』と言ったな？」
「言ったけど？」
「“あの時”って、まるで、あの写真がいつの出来事が知っているみたいな言い方だな。転校してくる前だから、知らないはずなのに。」

そう問い詰めると、彼女は黙った。
一瞬だけ真顔になって、それからまた作り笑顔へと戻る。
そして、俺の前で堂々と拍手をした。
< 492 / 508 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop