AIが決めた恋
「残念だね。もう少し早く気づいていたら、藍ちゃんに見捨てられずに済んだのに。」
「1週間前のことも、見てたのか?」
「まあね。」

くそっ。
何から何まで、こいつの思い通りになっている。

「まだ遅くない。弁解のチャンスはいくらでもある!」

俺と彼女はパートナーで、クラスも同じだ。話しかけるきっかけは、至る所に転がっている。
ちゃんと謝って、事実を説明すれば、きっと彼女は分かってくれる。

「そんなに上手くいくのかな?」
「彼女には、ちゃんと話す。お前の言葉より、俺の言葉を信じてもらえる自信がある。」

今まで、パートナーらしいことは何一つ出来なかったけれど、でも、彼女はいつも俺の事を信じてくれていた。
だから今回も信じてもらえると思うのは、都合の良すぎる話なのかもしれない。
でも。俺のことは信じてもらえなくても、影石愛に全員はめられている事実は、信じてもらわなくては駄目だ。
大丈夫。まだ遅くはない。俺だって、彼女を信じているのだから。
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