AIが決めた恋

「ご、ごめん。」

何に対しての『ごめん』なのか自分自身の中でも明確ではなかったが、一応謝った。

「ううん。」

彼女はゆっくりと首を振る。
その姿はとても痛々しかった。
転校してきてから、彼女はずっと明るくて、笑顔で、悩みなんて無さそうだったのに。それなのに、彼女は今、俺の目の前で泣いている。
涙の理由は分からないが、人が泣いているところを見るのは、悲しい。

「だ、大丈夫…？じゃ、ないよな…。ごめん。」

思わず、また謝ってしまった。

「えっと、この場面は、見なかったことにした方が良いのか…？」
「…えっ？」
「あ…えっと…ごめん。俺は、どうしたら良いんだろう。」

俺が勝手に教室に入って、勝手に泣いている彼女に声をかけたのに、どうしたら良いのかなんて、失礼にも程がある。
でも、それ以外の言葉が思いつかない。
改めて思う。
俺、何でモテてるんだろう…。