AIが決めた恋
僕は、真島くんに一歩近づく。

「桃野さんのパートナーの佐倉蛍貴です。宜しくお願いします。」
「俺は真島広大だ。宜しく。」

握手をした方が良いか迷ったが、やめておいた。
握手は、この前のトラウマがある。また手を尋常ではないくらい強く握られて、湖川さんの従兄に言われたようなことを言われたら、たまったものではない。
特に、湖川さんの従兄は基本的には優しそうだったが、真島くんは怖そうな雰囲気がある。その真島くんに言われたら、更に寿命が縮まってしまいそうだ。

「そうだ!」

突然桃野さんが手を叩いた。
本当に湖川さんの前では別人のように明るくなるらしい。

「藍ちゃんはオーラが見えるんだよね。折角だから、ここにいる皆のオーラを紹介するのはどう?因みに私は薄いピンクなんだよね?」
「うん。」

オーラ…?

「ああ、そういえばそんなことを言っていたな。俺は白にも黒にもなりきれない、中途半端な濃い灰色だと言われた。」
「そ、そこまで言ってないですよ…!?」

桃野さんも真島くんも知っていた。ということは、知らなかったのは僕だけか。少しだけ疎外感を感じてしまうが、元々湖川さんとはそれほど話したことがない。言うタイミングが無かっただけだろう。
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