AIが決めた恋
それから約5分程歩いた場所に、喫茶店があった。
2人でそこに入る。
中には、かなり多くの生徒が既に居座っていた。
元からそこまで密に関わっていないペアは、さっきの山登りを顔合わせにしたはずだから、山登りの後に喫茶店に来ているのは、かなり仲の良いペアなのだろう。見る限り、ペア同士の距離が近い。
中には、隣に座って手を重ね合わせたり、腕を絡めたり…。

「普通は、こうなのか…?」

あまりにも親密そうにしている沢山のペアを見て、真島くんが言った。

「こ、これは、ごく一部だと思います。」
「まあ、気にする必要はないだろう。」

真島くんは、クールに空いてる席へと移動し、座った。私も後を追いかけて、向かい合わせに座った。
店員さんが2人分のメニューと水を持ってきて、机に置いた。

「メニューが決まりましたら、お呼びくださいませ。ごゆっくりどうぞ。」

私はメニューを開く。1ページ目に大きく載っている、『5月限定!さくらんぼパフェ 』がとても気になった。

「俺は決まったからいつでも大丈夫だ。」
「私も決まりました。」
「早いな。」

もう少し悩んだ方がよかったかもしれない。こういうのは、ギリギリまで悩み、相手の男性に相談する方が女の子らしいのではないだろうか。
真島くんはもしかしたら結婚するかもしれない相手だ。少しくらいは無理をしてでも女性らしさを出す方が良い気がする。
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