AIが決めた恋

第4章 定期テストは前途多難！？

契約破棄！？

「佐倉くん…私、もう駄目かもれない。今すぐパートナーの契約破棄したい気分。」

桃野さんが半泣き状態で僕の席までやってきて、そう言った。

「ま、まさか…。」
「そのまさかだよぉ。私、数学できないんだもん。数字見るだけで目がぐるぐるしてくるし、二次関数みたいなぐにゃぐにゃした曲線を見てるだけで睡魔が襲ってくるんだよ〜。」

桃野さんがアタマをぐしゃぐしゃとした。

「落ち着いて。」
「落ち着けないよ。私のせいで佐倉くんに迷惑かけるんだもん。やっぱり契約破棄を…！」
「この高校を卒業するまでの間は、契約破棄はできないよ。」

どうしても契約を破棄したい場合は、退学しかない。しかし、退学をしてまで契約破棄をしたいというのは、よっぽどのことがない限り、認められない。

「頑張って乗り越えよう？」
「うぅ…、自信無い…。」

どうして桃野さんがここまで追い詰められ、契約破棄をしたいとまで言い出したのか、それには、今日の朝のHRの時間の出来事から説明する必要がある。