AIが決めた恋
「どうせなら罰ゲーム考えようぜ!」

取り巻きの男子の1人がそう言った。

「お前、マジ頭良いわ!賛成!!何にしようかな〜。」

本田くんが顎に手を当てる。

「丸坊主にする?いや、それは俺が負けた時に嫌かぁ〜!う〜ん。」

どうやら本気で悩んでいるようだった。

「そうだ!お前の名前!佐倉蛍貴(さくらけいき)だから、桜ケーキをお前にプレゼントするとか!いや、それじゃ、蛍貴が負けた時に、自分で自分にプレゼントするとかいう、可哀想な人になっちまうか。」

何だか、サラッとバカにされたような気がする。

「う〜ん、罰ゲームを考えるって、意外と難しいなぁ!!」

(しばら)く本田くんが考え込んでいると、先程の男子が手を挙げた。

「俺にいい考えがある。」
「何何!?」
「あいつに告るっていうのは?」

彼が窓際の席に座っている彼女に視線を送った。
湖川さんだ。今日も読書をしている。

「それは良くないよ。罰ゲームは無しでやらない?」

湖川さんに偽りの告白なんて、絶対駄目に決まっている。彼女は、誰にも干渉しない。しっかりと自分を持っている。そんな姿が素敵なのに。
それに、この学校で誰かに“告白する”というのは、他の学校で行うそれよりも、深い意味を持つ。遊びで簡単にして良いことではない。

「何だよ蛍貴〜!ノリ悪いな〜!罰ゲームが怖いのか?」

本田くんが煽る。

「そういうわけじゃないけど…」
「それならいいじゃんか!ってことで決まり〜!はい、早速始めるぞ〜!」

僕は流れに逆らうことができず、ゲームはあっさりと始まってしまった。
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