AIが決めた恋
陽芽は、真島くんの姿を見ると、目を見開いた。

「キャー!何で真島くんがここにいるの!?嫁入り前の女の子の家に勝手に上がるなんて、変態!?」
「こら、陽芽!藍の将来の旦那さんになんてこと言うの!」

真島くんに失礼な言葉を投げかける陽芽をお母さんが注意するが、『将来の旦那さん』とはっきり言われるのは、何だか恥ずかしい。

「彼は藍を迎えに来てくれたのよ。今から勉強会に行くんでしょ?」
「あ、そうだった。私がこの場所を教えたんだった。酷いこと言ってごめんね。」
「別に。」
「ごめんなさいね、陽芽は少しおっちょこちょいなところがあるから〜。」
「いいんですよ。」
「あ、そんなことより、真島くんは藍と将来、結婚するつもりはあるのかしら?」

お母さんが聞いた。その手の話は私達もまだしたことが無いから、緊張する。

「分かりません。」

真島くんが、低く、そしてとても小さな声で言った。

「結婚できないかもしれません。」

先程まで賑やかだった空気が、一瞬にして凍りつくのを感じた。
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