教師になりたい悪役令嬢はゲーム関係者の妨害にあう
教師として
時は流れ、やがて春が訪れる。
それが新しい季節の始まりであることはこの世界も同じようで、魔法学園の入学式は花の季節に行われる。
学園を卒業した私はこの春から学園の教師として赴任することが決まった。
前世を含めれば、夢が叶うまでには随分と長く困難な道のりだ。私の夢は主人公にも攻略対象にも阻むことは出来ないと改めて過去を振り返る。
感慨深さとやるせない想いを抱えながら、入学式を終えた私は大股で廊下を突き進んでいた。教師になれたとはいえ、私にはまだ残された問題がある。
しかしどれだけ急いでいようと模範的な教師である私は決して廊下を走ったりはしない。幸いなことにすれ違う人々は私の抱える事情と、迫力に怯えているのか道を譲ってくれる。おかげで歩きやすいが、とても声を掛けられるような顔をしてはいないのだろう。
声を掛ける人間がいるとしたら、よほど親しい間柄か、よほど空気が読めないかのどちらかで――
「エリちゃ~ん! どうしよう! 私、また卒業出来ないかもしれない~!」
そのどちらかであろう人間がここにいた。
それが新しい季節の始まりであることはこの世界も同じようで、魔法学園の入学式は花の季節に行われる。
学園を卒業した私はこの春から学園の教師として赴任することが決まった。
前世を含めれば、夢が叶うまでには随分と長く困難な道のりだ。私の夢は主人公にも攻略対象にも阻むことは出来ないと改めて過去を振り返る。
感慨深さとやるせない想いを抱えながら、入学式を終えた私は大股で廊下を突き進んでいた。教師になれたとはいえ、私にはまだ残された問題がある。
しかしどれだけ急いでいようと模範的な教師である私は決して廊下を走ったりはしない。幸いなことにすれ違う人々は私の抱える事情と、迫力に怯えているのか道を譲ってくれる。おかげで歩きやすいが、とても声を掛けられるような顔をしてはいないのだろう。
声を掛ける人間がいるとしたら、よほど親しい間柄か、よほど空気が読めないかのどちらかで――
「エリちゃ~ん! どうしよう! 私、また卒業出来ないかもしれない~!」
そのどちらかであろう人間がここにいた。