教師になりたい悪役令嬢はゲーム関係者の妨害にあう
「それからシリス先生ね」

「シリス先生!?」

 まさかの教師からも苦情が寄せられているというのか。

「ああ、誤解しないで。苦情を寄せたのはシリス先生ではないの。シリス先生は行方不明なのだから」

「どういうことですか!?」

 恩師が行方不明であるという事実に面接も忘れて驚愕してしまう。それくらいお世話になっていた自覚はあるし、攻略対象でもある人だ。

「安心してちょうだい。シリス先生は自ら学園を去ったのよ」

「え?」

「わたし宛に辞表が残されていたわ。なんでも貴女の魔法理論に感銘を受け、自分の未熟さを自覚したというの。修行の旅に出ると書かれていたわ。貴女への苦情は同僚の教師たちからのものよ」

 確かにシリス先生にはとことん質問した。立派な教師になるためにもわからないことがあってはいけないからだ。
 まさか学問探求の旅に出たとは知らなかったけど!
 そういえば最近姿を見ないなとは思っていたけど!

 えっと、あの……
 これも、私が悪いの?
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