教師になりたい悪役令嬢はゲーム関係者の妨害にあう
「そしてこれが一番の問題なのだけど。貴女、ライラさんと仲が良かったわよね」

 その名前に身体がこわばりをみせるのは条件反射だ。

「広い意味で言えば学友ということにもなりますが、特別親しいと言うほどの仲ではありません」

 ライラはこのゲームの主人公。彼女に関わっては人生が狂うと、距離を開けるように努めて来た。それがどうして仲が良いなどと言われているのか疑問である。

「そうなの? でもライラさんは貴女を親友だと言っていたわよ」

 だから私を巻き込むなよ!!

「それで問題はライラさんのご実家からなのだけど……」

 それを聞いた瞬間、私は静かに席を立っていた。

「エリナさん?」

 ここまでくれば流れで話の筋は理解した。きっとまた今回も、私が悪いと言いたいのだろう。
 あくまで面接であることを忘れずに、上品に、冷静に、優雅に見えるように心がけながら立ち上がる。

「では校長先生。私がその全ての苦情を撤回させたのなら、この学園の教師として採用頂ける。そういうことでよろしいのですね?」

「もちろんよ。そうであるようにわたしも祈っているわ」

 こうして私の校長面接は静かに終わりを迎えた。

 これはゲームのシナリオを放棄した罰?

 だから関係者(みんな)して私の夢を邪魔するの?

 私はただ、夢のために慎ましく勉強に励んでいただけなのに……

 許すまじ関係者ども!!
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