声を聞いて。 上
放課後になり
部室に向かう。
結「留奈、一緒にいこー」
結は同じクラスで部活も一緒
同じパートだから
学校の時はほぼ一緒にいる
部室に向かうと黒板に
「パート練習にまだいかず、みんなここに集まること!」
顧問の字で書かれている。
「なにがあるのー?」
部室でみんなが騒いでいると
顧問が入ってきた。
顧問「今日みんなに集まってもらったのは夏のコンクールの曲を決めます。」
毎年恒例のこの時期がやってきた。
うちの部は強いわけでもないが
毎年コンクールに出ている。
なぜかいつも
この時期にコンクール曲を決める。
顧問「そして3年生は夏のコンクールに出るか出ないか、今週中に紙を提出してください。」
と付け加えられた。
高校生、最後の夏か。
私は悩んでいた。
中学校から吹奏楽部だったので
夏といえば毎日楽器を吹いていた。
休みなんてほとんどなくて
旅行なんてここ数年行けてない。
私は出るか出ないか
迷っていたら同じパートの結が
声をかけてきた。
結「留奈出るでしょ?一緒に出よーよ?学生時代の最後の夏のだよ?」
結は出る気満々みたいだ。
「結が出るならいいか!」
そんな安易な考えで
私も出ることにした。
そしてコンクール曲は
まさかの私のドソロがある曲に決まってしまった、、、