春の始まりに、もう一度君に会いに行く。
退屈な始業式も終わってホームルームも終わり、特に予定もなかったのでそのまま家に帰った。




お昼ご飯も食べ終えて何もすることがなく暇だったため、お気に入りの場所に出かけることにした。




家から歩いて15分程度の場所にある高台にある公園。




そこが私のお気に入りの場所。





落ち込んだり、一人になりたい時、気分転換をしたい時によく来る。



人があまり来ないため、一人になりたいときにもってこいの場所だ。




高台にあるので夜は星が綺麗に見えるので夜もたまに散歩がてらに寄ることもある。



ベンチに座ってぼんやりと町を眺めていると｢佐々木さん？｣と名前を呼ばれた。




声のした方を向くと私服の田川君が立っていた。




びっくりして思わずベンチから立ち上がると田川君がその様子を見て笑った。




田川君が慌てて｢ごめん、驚かせるつもりはなかったんだけど｣と言いながら近づいてくる。



｢ところで佐々木さんはどうしてこんなところにいるの？｣



｢暇だったからかな、この公園落ち着くからよく来るの｣





そう答えると田川君は目を輝かせながら｢だよね、俺も落ち着くから好きなんだけどこの公園あんまり人居ないから仲間がいて安心した｣とうれしそうに言った。





｢田川君はお家この近くなの？｣




｢うん、この公園の下の住宅街に住んでる｣






私の家と割と近くて少し嬉しくなった。






｢佐々木さんってさ、誰かと付き合ったことってある？｣





唐突にそんなことを聞かれた。
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