御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
甘いおしおき
パーティーまで残り一週間。私は言われた通り、なにも考えずに毎日を過ごしていた。
透さんはPCでお仕事をするばかりで、池畠さんの件でなにかアクションを起こす様子はない。
彼にまかせるって決めたものの、なにか変化が見えてこないと不安でいっぱいになる。
今日は透さんはオトワリゾート本社へ出勤するが、私は休み。
彼を送り出し、のんびり過ごしているとスマホに着信が入った。
美砂だ。
「もしもし。どうしたの」
『あ、沙穂ちゃん。今日暇してる? 来週のパーティーのドレスを見にサロンへ行かない? 和志さんはお仕事でいないし、ふたりで』
久しぶりの明るい声にホッとした。たまに実家に遊びにおいでと連絡がきていたものの、私は池畠さんを避けてまったく帰らなかったから。
美砂、変わらず元気そう。
「いいね。行きたい」
『やったぁ! じゃあお昼を食べたら行こう』
「わかった」
透さんに【美砂と出掛けてきます】とだけメッセージを入れ、お化粧を始めた。
美砂に会えるのはうれしいけど、顔を合わせるのが少し怖い。