御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
クローゼットの天井近くにある一段の棚、そこに海外で買ったクリスマスカラーのお菓子の空き箱が置いてある。誰も知らない、私の秘密の宝箱だ。
背伸びをして手を伸ばす。中身がカサカサと音を立てるその箱を持ち出し、ベッドに座った。
箱の蓋をゆっくりと開けると、中には金のシールが貼られた白い封筒が約二十通以上、こんもりと入っている。
「……透さんの嘘つき」
封筒をひとつ手に取り、そうつぶやいた。
これはすべて透さんからの手紙。優しく、正直で、秘められた言葉たちが綴られている。
大学時代、彼が美砂に送ったものだ。
◇◇◇
七年前。
『沙穂ちゃん聞いて! お隣の東帝大のサークルにね、すごく格好いい先輩がいるの。三鷹透さんっていって、三鷹ツアーズの御曹司なんだって』
ひと足先に大学生になった姉。女子校育ちであまり男性と触れあってこなかった彼女は、異性との交流に熱をあげていた。
『ボランティアのために入ったサークルじゃなかったの?』
わざわざ勉強中の私の部屋へやってきて。また美砂のミーハーが始まったとため息をつく。
昔から私は、世間知らずでお調子者の姉に目を光らせておくよう両親から頼まれていた。将来は会社を担うのだから、変な男に捕まらないように、と。
しかしそれも高校までで、大学に入って他大学のサークルに行かれては難しくなった。だいたい私も今は内部進学の勉強があって忙しいし。
背伸びをして手を伸ばす。中身がカサカサと音を立てるその箱を持ち出し、ベッドに座った。
箱の蓋をゆっくりと開けると、中には金のシールが貼られた白い封筒が約二十通以上、こんもりと入っている。
「……透さんの嘘つき」
封筒をひとつ手に取り、そうつぶやいた。
これはすべて透さんからの手紙。優しく、正直で、秘められた言葉たちが綴られている。
大学時代、彼が美砂に送ったものだ。
◇◇◇
七年前。
『沙穂ちゃん聞いて! お隣の東帝大のサークルにね、すごく格好いい先輩がいるの。三鷹透さんっていって、三鷹ツアーズの御曹司なんだって』
ひと足先に大学生になった姉。女子校育ちであまり男性と触れあってこなかった彼女は、異性との交流に熱をあげていた。
『ボランティアのために入ったサークルじゃなかったの?』
わざわざ勉強中の私の部屋へやってきて。また美砂のミーハーが始まったとため息をつく。
昔から私は、世間知らずでお調子者の姉に目を光らせておくよう両親から頼まれていた。将来は会社を担うのだから、変な男に捕まらないように、と。
しかしそれも高校までで、大学に入って他大学のサークルに行かれては難しくなった。だいたい私も今は内部進学の勉強があって忙しいし。