御曹司は箱入り娘を初夜に暴く～お見合いしたら、溺愛が始まりました～

「もっと自慢していいと思います。業界屈指の有名コンサルタント。若き成功者。そう書いてありました」

「やめてってば。俺あれ恥ずかしいんだから。写真も妙な撮られ方してさ」

手で宙を払う仕草をされ、私もなんだかおかしくて「ふふふ」と軽い笑みがもれる。
しばらくして私の声が途切れると、彼はぽつりとつぶやいた。

「でも雲の上ではないよ。隣にいるんだから。今日は俺とデートしてるって、分かってる？」

ひゃっ……まただ。無自覚なのか、定期的にトキめかせてくるからこちらは大変。

「は、はい。分かってます……」

美砂のためだし、透さんにもそれはちゃんと考えていると忠告されたから、舞い上がってはいけない。
分かっていても、どうにも彼の含みのある言い回しに心臓が慣れない。
例えるなら、女子校で流行っていた二次元の恋愛ゲームのようだ。