御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
ただの昔話かと思いきや、いきなりの提案に胸が跳ねる。
いやいや、会うって……。

「な、なんで?」

「実はね、透くんが卒業してから向こうが忙しくて全然連絡とれなかったんだけど、ついこの間、うちのパパを通じて再会できたの」

んん? 話が見えない。どうしてお父さんがでてくるの?
美砂はここでもう一冊の経済雑誌の方を手に取り、該当のページを開いてアルバムの上に重ねた。

それを見た瞬間、グッと心臓を掴まれるほどの衝撃が走る。

「これが今の透くん。有名なコンサルタントなのよ」

見開きまるまる彼の写真だ。
あの頃と変わらない若い眼差しを残しつつ、そこからさらに洗練されたビジネスマンの顔つきへとレベルアップしている。
ソファに座り落ち着いたポーズをとる彼は、経済雑誌とは思えないほど絵になる被写体だ。

【特集七ページ! 若干二十七歳のコンサルタントマネージャー・三鷹透の成功の秘密に迫る!】

写真の右下には、まるでこの特集を誰もが待っていたとばかりの強気のタイトルがつけられている。
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