御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
三鷹透はなんでも持っていて、すべてにおいて恵まれている。それを疑う人はいなかった。俺もそう振る舞ってきた。
彼女はなぜ俺の気持ちが理解できるんだ?
返事を書き、また一週間後に渡した。
何度か美砂と話して確信したが、美砂は、手渡してくるこの偽りの手紙、それだけでなく俺が渡した手紙の中身、どちらも読んでいない。
手紙の内容を踏まえると会話が矛盾するのだ。
本物の美砂はヴァイオリンはここ何年も弾いていないし、お菓子作りも本当は苦手で、英会話はサボり気味だという。
最近は俺を〝透くん〟と呼ぶようになったのに、手紙では〝透さん〟のまま。
そこで手渡しではなく、直接郵送したい旨を伝えると、美砂は快諾した。
美砂が届いた手紙をさらに転送するような面倒な作業をするとは思えない。なら、書いている本人も、同じ住所にいるのか?
俺の研究室が忙しくなり、月一、二回となったやりとりがもうすぐ一年になろうとする頃。
美砂から気になる情報を仕入れた。
『透くん。次のボランティア来れませんか? 山に登って植林するんですけど、参加者が少なくて』
研究室での作業の合間を縫って学食にくると、うちの大学に遊びに来ていた美砂が話しかけてきた。
彼女はなぜ俺の気持ちが理解できるんだ?
返事を書き、また一週間後に渡した。
何度か美砂と話して確信したが、美砂は、手渡してくるこの偽りの手紙、それだけでなく俺が渡した手紙の中身、どちらも読んでいない。
手紙の内容を踏まえると会話が矛盾するのだ。
本物の美砂はヴァイオリンはここ何年も弾いていないし、お菓子作りも本当は苦手で、英会話はサボり気味だという。
最近は俺を〝透くん〟と呼ぶようになったのに、手紙では〝透さん〟のまま。
そこで手渡しではなく、直接郵送したい旨を伝えると、美砂は快諾した。
美砂が届いた手紙をさらに転送するような面倒な作業をするとは思えない。なら、書いている本人も、同じ住所にいるのか?
俺の研究室が忙しくなり、月一、二回となったやりとりがもうすぐ一年になろうとする頃。
美砂から気になる情報を仕入れた。
『透くん。次のボランティア来れませんか? 山に登って植林するんですけど、参加者が少なくて』
研究室での作業の合間を縫って学食にくると、うちの大学に遊びに来ていた美砂が話しかけてきた。