御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
だってまともに会ったのは写真を撮った日のボランティアの一回きりで、あとは姉と待ち合わせて東帝大を訪ねたとき、何度か見かけた程度。
私と会いたいと思えるポイントは絶対にないし、知り合いにすらなれていない。
「社交辞令じゃないよ。一緒に会おうよ」
「いや、私は本当にいいって……」
鈍感な姉をたしなめるが、彼女はパンと音を立て、両手を合わせた。
「お願い! 沙穂ちゃんも来て。ほら私もう婚約してるから、相手が透くんでもふたりきりじゃ会いづらいのよ」
あっ。そう、か……。
「たしかに」
美砂にしては、ちゃんとわきまえてるんだなぁ。
そう考えると、向こうもそういう意味で私に会いたいと言っている可能性もある。婚約者のいる美砂と妙な関係になってはいけないから、その見張り役としての私。
それなら納得だ。
「わかった。食事かなにかするの?」
「うん。うちのホテルを使おうと思って。私が手配しておくから」
「いいの? じゃあ、任せるね」
珍しい。手配するのはいつも私の役目なのに、美砂ったら今回はよほど楽しみなんだろう。
そりゃそうだよね、あの透さんに会えるんだもの。
私と会いたいと思えるポイントは絶対にないし、知り合いにすらなれていない。
「社交辞令じゃないよ。一緒に会おうよ」
「いや、私は本当にいいって……」
鈍感な姉をたしなめるが、彼女はパンと音を立て、両手を合わせた。
「お願い! 沙穂ちゃんも来て。ほら私もう婚約してるから、相手が透くんでもふたりきりじゃ会いづらいのよ」
あっ。そう、か……。
「たしかに」
美砂にしては、ちゃんとわきまえてるんだなぁ。
そう考えると、向こうもそういう意味で私に会いたいと言っている可能性もある。婚約者のいる美砂と妙な関係になってはいけないから、その見張り役としての私。
それなら納得だ。
「わかった。食事かなにかするの?」
「うん。うちのホテルを使おうと思って。私が手配しておくから」
「いいの? じゃあ、任せるね」
珍しい。手配するのはいつも私の役目なのに、美砂ったら今回はよほど楽しみなんだろう。
そりゃそうだよね、あの透さんに会えるんだもの。