御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
距離をとりながら応接室の壁に沿って逃げるが、カツンカツンと音を立てて池畠さんの足音はゆっくり追いかけてくる。
二ヶ月ほど前、初めて顔を合わせたときはいい人だと思ったのに、それからじわじわと私に愛人にならないかと迫ってくるのだ。
美砂にはとても言えない。婚約者が私にちょっかいを出しているなんて知ったらショックを受けるだろうし、傷つけたくない。
どうにかして秘密のまま解決したい。美砂に他に素敵な人ができて、自然と池畠さんとの婚約が消えてなくなるにはどうしたらいいか。悩んでいたところに現れた救世主が、透さんだったのだ。
透さんなら美砂を大切にしてくれる。この池畠さんとは違って、私に嫌なこともしない。
「ねえ、試しに一晩だけどう? 誰にもバレないようにするから」
追いつかれて手首をとられると、手の甲に口づけられ、あまりの気持ちの悪さに思いきり振り払った。
「いやっ! やめてください!」
ハンカチを出して汚された場所を拭いながら、心の中で透さんに助けを求めていた。
透さんがしてくれたキスは優しかった。いきなりで驚いたけど、ふわふわして夢見心地になったのに。この人のは恐怖でしかない。
二ヶ月ほど前、初めて顔を合わせたときはいい人だと思ったのに、それからじわじわと私に愛人にならないかと迫ってくるのだ。
美砂にはとても言えない。婚約者が私にちょっかいを出しているなんて知ったらショックを受けるだろうし、傷つけたくない。
どうにかして秘密のまま解決したい。美砂に他に素敵な人ができて、自然と池畠さんとの婚約が消えてなくなるにはどうしたらいいか。悩んでいたところに現れた救世主が、透さんだったのだ。
透さんなら美砂を大切にしてくれる。この池畠さんとは違って、私に嫌なこともしない。
「ねえ、試しに一晩だけどう? 誰にもバレないようにするから」
追いつかれて手首をとられると、手の甲に口づけられ、あまりの気持ちの悪さに思いきり振り払った。
「いやっ! やめてください!」
ハンカチを出して汚された場所を拭いながら、心の中で透さんに助けを求めていた。
透さんがしてくれたキスは優しかった。いきなりで驚いたけど、ふわふわして夢見心地になったのに。この人のは恐怖でしかない。