御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
サイドランプのオレンジ色の光にぼんやりと包まれ、五十センチほど離れた透さんの顔を横目で盗み見る。
もう目を閉じてる。眠ったのかな?

綺麗な横顔。シャープな鼻筋がランプの光に浮かび上がって、伏せられている睫毛は男の人なのに長くしなやか。

どうしよう……ドキドキして全然眠れない。

「……沙穂ちゃん。ちょっと近いね」

「へっ!?」

てっきり眠っているものとして見つめていたのに、彼の目はパッチリと開いていた。しかも私はいつの間にか、鼻先が触れるかというほど近くまで迫っていたことに気づく。

「きゃあ! すみません!」

飛び起きてベッドの端まで後ずさると、彼は苦笑いをしながら体を起こした。

「ごめんね。おやすみのキスをしてくれるのかと思ってそのまま待ってたんだけど、全然動かないから変だなって」

「キス!?」

私は唇を指で押さえた。
透さんてばまたなにを言い出すの!

ベッドに入ったままジッとこちらを見つめている彼に、私は距離をとりながらあたふたする。
一緒に寝るって、想像していたよりずっと大変だ。朝までに心臓が爆発しそう。
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