「誰かを救いたいんじゃなくて、いつだって言葉は誰かに救われたがってるんだよね」
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逃げた。探さないでください、よりも少し洒落たメモを残して。十九歳、二十歳未遂のひとつの選択。
自分を形成する価値観と、弱さと、それから信じようと手を伸ばすものへ、問いをぶつけ、お兄さんとわたしとそれから言葉との対話で、答えを手繰り寄せる。その過程で、零れ落ちたものに、読む者が救われる。ああ、この物語の言葉たちがそれを待ち望んでいたのでしょうか、そう思うのはエゴでしょうか。
結局は、他人ではなく、自分。自分と付き合っていくために、自分の涙を拭って時には抱きしめて、そうやって自分を自分として認めてあげることが大事なんだと教えてくださりありがとうございます。
勝手に、この物語をお守りにします。