懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~
ブーブーブー

と、テラスにあるテーブルの上に置いてあった携帯が震えた。手に取れば、そこには茜の名前が表示されている。

「もしもし?」

『あ、蜜葉? 一緒にご飯食べようと思って、蜜葉が好きなワッフルとサンドイッチ買ったの。今からそっちに行くから待っててね』

「なんかいつも気を遣わせてごめんね」

『なに水くさいこと言ってんのよ。私が蜜葉に会いたいだけだから』

会社を休んでからも、茜はこうやって私のことを気遣い、会いに来てくれたりしている。茜と笹原には今回の事情を話した。

ここに身を隠していることも知っているが、結斗さんにはなにも言わないでほしいと伝えてある。

ふたりとも私の決断に納得はいっていないようだったけれど、最終的には私の決断を尊重してくれた。

茜の存在は弱りきった今の私にとって、とてもありがたく温かい。茜には心から感謝している。
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