懐妊一夜～赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません～

「蜜葉、いきなりこんな風に押しかけ驚かせてしまってすまない」

「いえ……」

言葉に詰まる。あれから部屋の中に結斗さんを招き入れ、ダイニングテーブルに向き合いながら、腰を下ろした。

結斗さんの目を真っ直ぐに見ることができなくて、淹れたての紅茶から立ちのぼる湯気をぼんやりと見つめる。

「あれから連絡が取れなくてずっと心配していたんだ。笹原くんや秋沢くんに聞いても蜜葉の居場所は知らないと言われてね」

「……」

「蜜葉がいきなり別れを切り出したのは、父からの圧力があったからだろう？　数日前、春日井からすべて聞いたんだ」

「春日井さんに？」

「ああ。春日井自身、父と俺との間で板挟み状態で様々な葛藤があったようだ。それでも最後は俺の気持ちを汲み取り、すべてを話してくれた」

「そうだったんですか……」

まさかそんなことになっていたとは思いもしなくて、心がザワザワと騒ぎ出す。

「守ってやることもできず、辛い思いをさせてしまって本当にすまなかった」

戸惑う私を前に、結斗さんが深々と頭を下げた。