懐妊一夜～赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません～

「俺が幸せかどうかは、父や蜜葉が決めることじゃない。俺自身が自分で選択して、望む形を生きていくことで、その先に幸せな未来があると思っている。そして俺が望むのは、蜜葉と、そしてお腹の子と三人で歩む人生だ」

「……っ⁉︎」

唇を解放した結斗さんが優しいまなざしを向けて私を見る。そして、結斗さんの手がそっと、私のお腹に伸びた。

「蜜葉のお腹の中に俺たちの赤ちゃんがいるんだろう？」

「……ど、うしてそれを？」

あまりの驚きに言葉が震える。

「春日井から聞いた。父はずっと蜜葉の動きを春日井に見張らせていて、春日井は蜜葉が産婦人科に出入りしているのを知ったんだ」

「それじゃあ結斗さんのお父さんもこのことを知っているんですか？」

「いや、春日井は父には報告しなかったそうだ。母の件を知っているから、蜜葉が同じ目に遭うと思い、報告しなかったんだろう。そして春日井は俺に『なにがあっても蜜葉を守り抜く覚悟があるか』と尋ねてきてね。俺が『ある』と答えたら、意を決したようにお腹の子のことを話してきたんだ」

「私、春日井さんに助けていただいてたんですね」

春日井さんの気遣いや優しさを知り、胸が熱くなった。