懐妊一夜～赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません～

「あの、今何て……おっしゃいました？」

「俺と付き合ってくれないか、と」

「ふ、副社長、お酒でも飲まれて酔われているんじゃないですか？　そうでなければそんな発言……」

「一滴も飲んではいない。俺は正気だしこれは社交辞令でもなければ、からかって言っているわけでもない」

向けられた副社長の真剣な眼差しを前に、これは何かのドッキリなんじゃなかろうかって思いながら高速な瞬きを繰り返す。そんな私の瞳に副社長の姿が大きく映るようになっていくのは、副社長が私の方へと近づいてくるから。

「実はずっと前から君のことが気になっていたんだ」

「ずっと前から私のことを？」

目を丸くする私の頬に触れた副社長の綺麗な指先が伸びる。そんな副社長の思わぬ行動にトクンッと心臓が跳ねて頬は熱を帯びていく。