懐妊一夜～赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません～

「蜜葉に話したいことがあるんだ。ちょっといいか？」

「はい。何でしょうか？」

「来月の海外視察が終わったら二、三日休みが取れそうなんだ」

「そうなんですか。それは良かったです。普段、忙しくされているのでそのお休みはゆっくりと体を休めて下さ……」

「そうだな。都会の殺伐とした空間から離れて、ふたりでゆっくり過ごそう」

「え？」

「ふたりで温泉旅行に行かないか？」

「お、温泉旅行ですか……？」

まさかの結斗さんの提案に私は目を見開いた。

「ああ。もうすでに宿は取ってある」

忙しい結斗さんが私のために時間を取って、私と過ごそうと予定を組んでくれたことは、素直に嬉しい。

「すごく楽しみです。ありがとうございます！」

「喜んでくれて俺としても嬉しいよ。普段、俺たちの関係を公にしてないから人目を気にしてなかなか外でデートを楽しめないだろう？　だからそういうのを気にせずに、純粋に蜜葉と旅行を楽しみたいんだ」

「結斗さん……」

「だから俺のワガママに付き合ってくれ」

思いがけない形で実現することになった結斗さんとの初旅行に、はやる気持ちを抑えられない私がそこにいた。