妖の木漏れ日カフェ
シドウさんは私たちの話をどこかで聞いているのだろうか、私の言葉通り、午後にシドウさんはカフェを訪れた。
重い体を引きずってすぐにシドウさんの元へ行く。
「やあ、真由ちゃん。早速ハーブティーを淹れてくれるかな?」
「はい」
午前中寝ていたおかげか、大分意識がはっきりとしてきて、ハーブティーに集中できそうな気がする。
深呼吸をしてゆっくりと口から吐いて。
シドウさんの心の平穏を願って、ラベンダーティーを淹れていく。うん、花の良い香りが漂ってくる。落ち着く。心が鎮まっていくこの香り。
シドウさんにも届いているかな?
そんなことを思いながら、つぎは金色に輝く蜂蜜をほのかに紫に色付くハーブティーに注いでいく。蜂蜜の甘さ。全身の疲れがふっと消えていく感じがする。
「どうぞ」
「うんん、ラベンダーだね」
匂いを楽しむシドウさんの姿からは剣のある雰囲気は微塵も感じられず、ただ1人のハーブティーを楽しむお客様に見える。
「ラベンダーティーに蜂蜜を加えました。シドウさんに、リラックスした時間を過ごしてほしくて……」
「なるほど」
シドウさんが私の淹れたラベンダーティーを口に含ませる。緊張する。どんな言葉が降ってくるのか、どんな表情をするのか、固唾を呑む。
「ああ、ラベンダーの花の香りの中に蜂蜜のまろやかな甘さが絶妙にマッチする」
その言葉を聞いた瞬間、肩の力がすっと抜けて同時に視界が暗くなった。
重い体を引きずってすぐにシドウさんの元へ行く。
「やあ、真由ちゃん。早速ハーブティーを淹れてくれるかな?」
「はい」
午前中寝ていたおかげか、大分意識がはっきりとしてきて、ハーブティーに集中できそうな気がする。
深呼吸をしてゆっくりと口から吐いて。
シドウさんの心の平穏を願って、ラベンダーティーを淹れていく。うん、花の良い香りが漂ってくる。落ち着く。心が鎮まっていくこの香り。
シドウさんにも届いているかな?
そんなことを思いながら、つぎは金色に輝く蜂蜜をほのかに紫に色付くハーブティーに注いでいく。蜂蜜の甘さ。全身の疲れがふっと消えていく感じがする。
「どうぞ」
「うんん、ラベンダーだね」
匂いを楽しむシドウさんの姿からは剣のある雰囲気は微塵も感じられず、ただ1人のハーブティーを楽しむお客様に見える。
「ラベンダーティーに蜂蜜を加えました。シドウさんに、リラックスした時間を過ごしてほしくて……」
「なるほど」
シドウさんが私の淹れたラベンダーティーを口に含ませる。緊張する。どんな言葉が降ってくるのか、どんな表情をするのか、固唾を呑む。
「ああ、ラベンダーの花の香りの中に蜂蜜のまろやかな甘さが絶妙にマッチする」
その言葉を聞いた瞬間、肩の力がすっと抜けて同時に視界が暗くなった。