妖の木漏れ日カフェ
「よくやったねえ。これで、全て消えた。時が来たら、お前さんは人間界に帰ることが出来る。……ありがとうねえ。真由、お爺ちゃんの言葉を守ってくれて、ありがとう」

 この声……大好きなお婆ちゃんの声。

「お婆ちゃんっ」

「真由、本当に頑張ったよ。動物たちも幸せだ」

「待って、お婆ちゃん! 行かないで!!」

 もっともっと話をしたい。お婆ちゃんとハーブティー、飲みたいよ。

 お婆ちゃんは私の体を包み込む。懐かしい、幼い頃のお婆ちゃんとの記憶が脳内を駆け巡る。

「お婆ちゃんはもう行くね」

 ぱあっと光に包まれて、建物もお婆ちゃんも玉の破片も無くなった。

 最後、お婆ちゃんが消えるときの表情は慈愛に満ちていた。

「お婆ちゃん……」

 お婆ちゃんはきっと、ここの動物たちの苦しみを救ってあげようとして……。

 ありがとう、お婆ちゃん。

「よくやった。真由」

 ああ、これで終わったんだ……。







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