妖の木漏れ日カフェ
「んー、満足。やっぱり秋の食材は最高ね」

 最後のデザートの一口まで存分に味わった後、カイさんがハーブティを淹れてくれて、今はそれを飲みながらほっと一息つく時間を過ごしている。

「美味しかったですね」

「ええ、本当に。また、食べに来るわ」

「ぜひっ」

 今飲んでいるのはローズヒップとハイビスカスのブレンドのハーブティ。女の人に人気のそれは美容にいいらしく、味も酸味がちょうどよくて飲みやすい。

 確かに、飲んでいるとお肌にいいような気がしてきて、つい頬を触ってしまう。

「そういえば、真由ちゃん今日は何の本を買ったの?」

「あ……えっと、ハーブの本です」

「そっか、ここで働いているんだものね。でも、勉強するなんて本当偉いわ」

「ハーブのこと、もっと知りたいんです。カイさんみたいになりたくて」

「ふふっ、可愛い。勉強、頑張ってね」

「ありがとうございます」

 スミレさんはハーブティを飲み終えると「じゃあね」とお店を後にした。

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