妖の木漏れ日カフェ
本を読んでいるとあっという間に空が暗くなっていて、全然気づかなかった。
「真由ー、晩ご飯出来たぞ」
「は、はい。今行きますっ」
隠し事をするわけでは無いけれど、なんとなくその本の存在を隠しておきたくて、布団の中に潜らせてから私は1階に下りた。
キセキバナ、その種がどこにあるのか、あてもなくこの街をふらついて探せるものではないというのは分かっているからこそ、何か確かな情報が欲しい。
でも、カイさんにそのことを尋ねたら絶対に「何故?」となるし、本当のことを言えば言ったで要らぬ心配をさせてしまうのは私のしたいことじゃない。
でも……私のことを人間だと知っているカイさん、ハトリさん、スミレさんから聞くのが多分1番安全な方法で、私の頭の中はたくさんの選択肢で埋まっている。
「真由、今日ハーブの本買ったんだってな」
「はい、もっとハーブのことについて知りたいと思って。そしたら、カフェの仕事、もっと役立てると思うし」
話していると、先ほどから降っている雨音がやけに大きくなっていくのが聞こえてくる。
それはまるで滝のような音で、窓を見ると打ち付ける雨の滴が普段よりも大粒で、ガラスを破ってしまわないか心配になる。
「すごい雨ですね……」
「ああ、確かにすごいな」
こんなのが続いて最後には火山噴火……。そしたらきっと、誰も助からない。
もちろん私自身も、家族や友人に会うことが出来ずに灰に埋れてしまう。
自分自身のためにも、この街の人のためにも、本気で『キセキバナ』を探さないと。
「真由ー、晩ご飯出来たぞ」
「は、はい。今行きますっ」
隠し事をするわけでは無いけれど、なんとなくその本の存在を隠しておきたくて、布団の中に潜らせてから私は1階に下りた。
キセキバナ、その種がどこにあるのか、あてもなくこの街をふらついて探せるものではないというのは分かっているからこそ、何か確かな情報が欲しい。
でも、カイさんにそのことを尋ねたら絶対に「何故?」となるし、本当のことを言えば言ったで要らぬ心配をさせてしまうのは私のしたいことじゃない。
でも……私のことを人間だと知っているカイさん、ハトリさん、スミレさんから聞くのが多分1番安全な方法で、私の頭の中はたくさんの選択肢で埋まっている。
「真由、今日ハーブの本買ったんだってな」
「はい、もっとハーブのことについて知りたいと思って。そしたら、カフェの仕事、もっと役立てると思うし」
話していると、先ほどから降っている雨音がやけに大きくなっていくのが聞こえてくる。
それはまるで滝のような音で、窓を見ると打ち付ける雨の滴が普段よりも大粒で、ガラスを破ってしまわないか心配になる。
「すごい雨ですね……」
「ああ、確かにすごいな」
こんなのが続いて最後には火山噴火……。そしたらきっと、誰も助からない。
もちろん私自身も、家族や友人に会うことが出来ずに灰に埋れてしまう。
自分自身のためにも、この街の人のためにも、本気で『キセキバナ』を探さないと。