ミッチーの贈り物
ミッチーの贈り物3
高校卒業し実家を出て札幌に住んだ18才。

お金がかかる中1と小5の弟が家にはまだ居る。

離れて暮らしても、自分一人に費やした中学高校の費用と生活費を弟二人分‥それだけでキツイ生活か充分想像がついた。

父親の仕事は減るばかり、母親が働きだし、弟達も新聞配達を始めた。
実家に帰るとご飯には麦が混ざっていた。

半年間は冬の北海道の中で更に寒い十勝池田町。

どこの家でも石油ファンヒーターが付いている中、家は蒔きストーブだった。

今思えば、陽が堕ちるのが早い季節なのに夕方四時まで照明をつけてはいけないという不思議なルールが我が家にはあった。

本当に貧乏だったけどそんな中、母親が時おり目を無くして笑うと暗いはずの家庭内が明るくなっていたのが凄く不思議だった。

その最高の笑顔こそ‥

ミッチーからの贈り物。
< 3 / 7 >

この作品をシェア

pagetop